4月20日|「生成AIの現在地」

2026 年4月20日 研究会実施報告
「生成AIの現在地」
講師:株式会社ALLAI CEO 井澤 良介 氏
講義テーマ:4つのレイヤーで見る生成AIの現在地

本講義では、生成AIが単なるチャットツールから、AIエージェント、自律型AI、長期記憶を持つ「もう1人の自分」に近い存在へ進化していることについての講義を実施した。

1:開催概要
JGCIでは、株式会社ALLAI CEO / 株式会社Shinka AIの井澤良介氏を講師に迎え、「4つのレイヤーで見る生成AIの現在地」をテーマに特別講義を実施しました。
本講義では、生成AIの進化を単なるツール比較ではなく、業務との関わり方・実行範囲・記憶保持・自律性という観点から整理し、今後のAI活用に求められる視点について学びました。

2:講義の主な内容
講義では、生成AIの活用段階を次の4つのレイヤーに分けて整理しました。

Layer1:教えてくれるAI
ChatGPT、Gemini、Claudeなどに代表される、質問に答え、文章作成、要約、企画書の下書きなどを支援するAIです。情報整理や壁打ちには有効ですが、実際に作業を完了させるには人間の操作が必要です。

Layer2:やってくれるAI
Manus、Genspark、Skyworkなどに代表される、依頼されたタスクをもとに複数の成果物を作成できるAIエージェントです。資料作成、リサーチ、ファイル生成などを担える一方で、毎回ゼロから指示する必要があり、長期的な記憶保持には課題があります。

Layer3:パソコンで動くAI
Claude Code、Cursorなどに代表される、ローカル環境やファイルを直接扱いながら作業できるAIです。PC内の資料を読み取り、編集し、保存するなど、より実務に近い操作が可能になります。ただし、完全な長期記憶や自律判断にはまだ限界があります。

Layer4:もう1人の自分になるAI
OpenClawなどに象徴される、自律性と長期コンテキストを持ち始めたAIです。過去の会話、PC内の情報、業務文脈をもとに、会議準備、議事録作成、タスク抽出、資料送付などを自律的に進める可能性が示されました。

3:講義で示された重要な視点
今回の講義で特に重要だったのは、AIの性能差を単にモデルの優劣で捉えるのではなく、「AIに何を渡すか」「どこまで文脈を渡せるか」が成果を左右するという視点です。
従来は、AIへの指示文を工夫する「プロンプトエンジニアリング」が重視されてきました。しかし、今後は背景情報、過去の成功事例、制約条件、価値観、業務文脈を整える「コンテキストエンジニアリング」が重要になると整理されました。

4:JGCIとしての学び
本講義は、生成AIを単なる業務効率化ツールとして見るのではなく、人間の判断、記憶、作業、意思決定をどのように補完・拡張していくのかを考える機会となりました。
特に、AI活用の中心が「指示のうまさ」から「文脈の整備」へ移行している点は、今後の企業導入、行政活用、人材育成、社会実装を考えるうえで重要な論点です。

5:まとめ
今回の講義を通じて、生成AIは「教えてくれるAI」から「やってくれるAI」、さらに「PC上で動くAI」、そして「もう1人の自分になるAI」へと進化していることを学びました。
JGCIでは今後も、AI技術の進化を社会実装・制度設計・人材育成の観点から捉え、ロボットと人間が幸せに共存する社会の実現に向けた研究と議論を深めてまいります。

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